第17章 海鳴り
港に帰ると、救急車が待っていて、すぐに病院に担ぎ込まれた。
全身検査されて、異常なし。
病院で乾いた服に着替えさせられた。
俺はいいって遠慮したんだけど、誰もいうことなんて聞いてくれなかった。
着替え終わると、警察が来て色々聞いてきたけど。
あくまで事故ですって、雅紀が言い張って…
すぐに俺たちは帰された。
民宿に帰ると、和と潤が泣きながら飛び出してきた。
「わわっ…どうしたんだおまえら!」
「まーあんちゃあああん!」
和が雅紀に飛びついて、ぎゅっとしがみつく。
「智あんちゃあああん!」
潤が俺にぎゅっとしがみついてきた。
「どうしたんだ、お前ら」
「翔あんちゃんが…」
和と潤の顔をよく見たら、滂沱の涙。
雅紀の顔色が青くなった。
すぐに民宿の中に飛び込んで行く。
俺はチビたちを両腕に抱えて、後を追った。
「翔っ!翔っ…」
翔くんの部屋のドアを、雅紀が蹴破った。
「翔っ…」
ベッドに駆け寄ると、翔くんが青白い顔で眠ってた。
「翔っ…起きてっ…翔っ」
雅紀が翔くんの身体を揺さぶる。
「ん…」
翔くんが呻く。
雅紀が翔くんの額に手を当てる。
「凄い熱…」
雅紀は立ち上がると、翔くんを布団ごと抱え上げた。
「大野さんっ…翔を病院に連れて行くっ」
「わかった」
チビを抱えて、雅紀の後についていった。