第3章 夢に舞い、恋に舞う 2
買い物から帰ると、買ったものを仕舞って、やっと一息。
コーヒーを淹れて、お師匠の勉強部屋へ持っていく。
「お師匠さん。コーヒーが入りました」
「ん」
襖を開くと、お師匠は文机に向かって、何か書いている。
大抵、お礼状とかそういうの。
朝のうちに済ますのが習慣になってる。
「こちらに置いておきますね」
あ、そうだ…
二宮さんのメモ。
「あと、これ…」
「ん?」
「二宮さんから預かりました」
「そうか」
お師匠は地図を見ると、丁寧に折りたたんで、胸ポケットに仕舞った。
なんだか嬉しそうな顔してる。
「あ、雅紀」
「はい?」
「風呂掃除しといた」
「ええっ!?」
「いいよ。いつもお前がお仕舞いちゃんとしてくれるから、軽く洗っただけだし」
「でもそんなっ…すいませんっ…」
「いいから…あれ?お前のコーヒーは?」
「僕はお台所で…」
「一緒に飲もう?」
お師匠は微笑むと、マグカップを持って立ちあがった。
一緒にお台所まで行くと、棚を漁って、甘いお菓子を見つけ出す。
「それが食べたかっただけじゃないですかぁ…?」
「そんなんじゃないよ…ばか」