第17章 海鳴り
「翔…くん…」
翔くんの唇から伝わる熱が、だんだん俺の心を溶かしていく。
「ここに…居ても、いいの…?」
「うん…ずっとここに居てよ…」
「なんで…?」
「大野さんのことが、好きだから」
「好き…?俺のことが…?」
「ふふ…気持ち悪い?」
「ううん…」
不思議と、嫌悪感は沸かなかった。
「夢だから…正直に言っちゃった…」
そう言って翔くんは俺の胸に顔を埋めた。
「大野さんは…皆に愛されてるよ…?」
「皆…?」
「俺でしょ…雅紀でしょ…和でしょ…潤でしょ…」
指を折りながら、兄弟の名前を呼んでいく。
「きっと、父さんも…大野さんのこと好きになると思う」
真剣な顔で俺を見上げた。
「だから、死んじゃダメ」
美しいと思った風景…
その中に、俺が入ってもいいの…?
「きっとね…大野さんが気づかなかっただけでね、周りのひとは大野さんのこと、愛してたと思うよ…?」
ぎゅっと俺のシャツを握った。
「こころの目、開いたらいいね…」
「こころの目…?」
「うん…大野さんのこころの目…きっと優しい目をしてるんだろうな…」
翔くんが目を閉じて微笑む。
「翔くん…?」