第17章 海鳴り
三人で脱衣所を出ると、翔くんが外で待ってた。
「え?なにしてんの?」
「あ、大野さんごめんね…」
そう言って俺の手に、小さな箱を渡した。
「え?なにこれ」
「毎日、和と潤の面倒見てもらってるから…プレゼント」
箱を開けると、とっても綺麗なルアーが入ってた。
イカ釣り用のきらきらしたルアーだった。
「こんな高いのいいよ…」
「いいんだって。うちそういうの安く手に入るから…」
「ありがと…別によかったのに…」
「大野さん、明日雅紀が船出すから、これ使って?」
「え?」
「折角釣りに来たのに。一回も行ってないでしょ?」
翔くんがじっと俺の目を覗き込んだ。
「い…いいよ…なんか乗らないから…」
「そんなこと言わないで。ね?」
「も、もう…いいよ俺のコトは…それより、翔くん早く寝ろよ」
「うん…もう、休ませて貰うね…」
そいういうとチビどもの肩を抱えて、奥に歩いて行く。
「大野あんちゃんおやすみー!」
「智あんちゃんまた遊んでねー!」
「おー、おやすみ」
「じゃあ、大野さん。おやすみなさい…後は、雅紀がするから…」
「おう。さんきゅ」