第17章 海鳴り
「あ…翔、顔色が悪いよ」
「え?大丈夫だよ…」
「だめだよ…和!潤!体温計!」
隣の部屋から、和と潤がばたばたとはいってくる。
「翔あんちゃん、またお熱!?」
和が血相変えてる。
「はい!早く測るの!」
潤が体温計を翔くんに押し付ける。
「もう…大丈夫って言ってるのに…」
翔くんはしぶしぶ体温計を脇に挟むと、チビ達の頭を撫でた。
「いい子だったね。ほら、大野さんのご飯の邪魔だから…あっち行ってな?」
「大丈夫だよ…」
俺が言うと、和と潤は嬉しそうな顔をして翔くんの膝に寝転がる。
「翔あんちゃんのお熱見てからいく!」
「俺も!」
ぴぴっと音がすると、後ろから雅紀が手を伸ばして体温計を取り上げた。
「…翔…寝てな?後は俺がするから…」
「大したことないよ…大げさだな…」
翔くんは立ち上がると、和と潤を抱えた。
「今日は二人でお風呂入れる?」
「うん!」
「じゃあ、行っておいで」
二人は元気よくはあいと返事をすると駆けていった。
「ごめんね…騒がしくて」
翔くんは俺の方を見ると、申し訳無さそうな顔をした。
「いいって…気にならないから…」
そういうと、また儚げに微笑んだ。