第17章 海鳴り
食堂に降りて行くと、雅紀の兄弟たちが部屋を駆けまわってた。
「おいっ…大野さんがくるってば!」
雅紀が小さな兄弟たちを抱えて右往左往してる。
思わず笑いが溢れる。
「あ、大野あんちゃん!」
和が俺に向かって突進してくる。
「ぐふぅ…」
おもいっきり俺の腹にタックルを決めやがった。
「大野あんちゃーん!」
「ば、ばかやろ…」
油断してたから、受け身も取れずその場にひっくり返る。
「なあに!智あんちゃんと遊んでんの!?」
潤が和の上から更に乗っかってくる。
「や、やめ…ぐふぅ…」
「こら、二人ともやめなさい」
この民宿を切り盛りしてる、雅紀のにいちゃんの翔くんが二人を引っ剥がした。
「大野さんは疲れてるの。だからやめなさい」
翔くんはほんとに雅紀たちと兄弟かよと疑うほど、物静かな人で。
賑やかな兄弟たちの中で異色だった。
だから、この宿を切り盛りできるんだろうけどな。
「ごめんなさい。大野さん」
「い、いや…いいって…」
翔くんは立ち上がると、兄弟たちを隣の部屋へ入れた。
「どうぞ。今、御膳だしますから」
そう言って食堂を出て行った。