第16章 レイン
「俺とお前の間にはいつも潤がいる。それでもいいの…?」
「…いいよ…?」
「お前が忘れたって、俺が忘れないし、俺が忘れたってお前が忘れない…」
ぎゅっと和也が俺の背中に手を回した。
「それは、すっげー苦しいことだぞ?それでもいいの?」
「いい…大野さんと一緒に居られるなら…いい…」
”和也…大野さんを愛してあげて…?”
「ほんとだな…?」
「うん…ほんと」
「じゃあ、今日お前を抱くぞ?」
「えっ…」
途端に和也は俺の腕の中で、もがき始めた。
「いいじゃん…初めてじゃないんだし…」
「あっ…あんなの一年前に一回こっきりだったじゃないかあああ!」
「大丈夫だって。俺、うまいから」
「いやいやいやいや…」
じりじりと後ずさる和也をガシっと捕まえて、胸に抱きしめる。
ふぅっと息を吐き出す。
ごめんな…潤…
俺も未来に向かって、歩いて行きたい。
お前の居ない人生を、まっすぐ歩いて行きたい。
そのためには、和也が必要なんだ。
俺に、和也をくれないか…?