第16章 レイン
「大野さん…それでも、潤はあなたのことを愛していた。これだけは、信じて下さい…」
和也の言葉が胸に突き刺さる。
何で俺のこと、そんなに…
「潤は…幸せだったのか…」
「大野さんに出会って…愛されて…潤はとても幸せでした…」
「潤っ…潤っ…」
「大野さんっ…」
和也が俺の身体を痛いほど抱きしめる。
その感触が、痛いほどこれが現実だと思い知らされる。
「ああああっ…」
「大野さんっ…」
雨の音が、うるさい。
気がついたら、和也が腕の中に居た。
服を一枚も着ていない。
俺も服を着ていなかった。
肌が温かい。
目を閉じて、じっと和也は俺の腕の中に居る。
ベッドの中で、俺達は抱き合っていた。
「和也…」
「大野さん…大丈夫…?」
和也の顔には、涙の跡が幾筋もついていた。
「おまえこそ…大丈夫かよ…」
「僕は、平気です…」
そっと頬を拭うと、俺をまっすぐに見つめた。
ああ…
似てる…
この眼差し…
潤とそっくりだ…
「潤に、会ってやってくれますか?」