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ヘブンズシュガーⅠ【気象系BL小説】

第16章 レイン


「潤は…」


それきり、和也は黙りこんだ。


タバコを消して振り返ると、和也は泣いていた。


驚くこともできなかった。


なんとなく、予感はあった。


足から力が抜けた。


その場に座り込むと、カーテンを握りしめた。


「ごめんなさい…遅くなって…」


和也は泣きながら俺の方へ頭を下げた。


「ずっと潤に止められてて…」


雨の音がうるさい。


さっきよりも激しくなって、叩きつけるように降っている。


時折、稲光が瞬き、部屋を一瞬明るく染めた。


「潤は…昨日…」







潤は昨日、息を引き取った。


明け方、眠るように。


病院のベッドで、いくつも管に繋がれて。


それでも笑顔を絶やすことはなかった。


どんなに辛い治療でも、進んで受けた。


最後には新薬のテストにまで参加していた。


前向きに、病魔と戦っていた。


その潤がたったひとつ、戦えなかったもの…


それが大野さんだった。


病気がわかって、潤は大野さんの部屋を飛び出した。


大野さんの部屋に何一つ残すことなく、自分を消してきた。


それから、潤は入院して闘病生活にはいった。


治療は辛いものだった。


でも潤は弱音一つ吐かなかった。




ある日突然、僕の耳元に潤は告白した。


自分はゲイなんだと。

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