第16章 レイン
さっきから、嫌な予感しかしない。
なんで今更、俺のとこになんて来たんだ…
「大野さん。潤は…」
「待った」
「え?」
「あんたは、俺と潤の関係しってんの?」
「あ…」
頬を染めて下を向いた。
全然似てない。
本当に兄弟なのか。
潤はもっとはっきりとした顔だちをしていた。
海外に行ったら、現地の人と間違えられるくらい…
なのに、この和也ときたら犬みたいな顔してる。
潤んだ瞳が俺を見上げた。
「知ってます…でも、僕は思うところはありません」
「ふうん…」
マグカップを持つ手が震えてる。
「なに…?ホモと一緒に部屋に居るのが怖いの?」
「えっ…そんなことないです」
「じゃあなんで震えてるんだよ」
「緊張…してて…」
「なんでだよ」
「潤から、ずっと大野さんの話を聞かされてたんです。この一年毎日のように…」
和也は微笑むと、マグカップを置いた。
「とても、嬉しそうに話していました」
気に入らない…
なんで過去形なんだよ。
俺は立ち上がると、窓辺に行ってタバコに火を点けた。
「で、なんだよ。今更。写真なんか持ってきてよ」