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ヘブンズシュガーⅠ【気象系BL小説】

第16章 レイン


コト…


玄関ドアのポストから音がした。


朝6時を過ぎている。


薄暗い部屋の中を横切り、玄関へと歩く。


ドアポストの扉を開けると、封筒が一通。


封もされていない。


中身を取り出すと、そこにはあいつが写った写真が一枚だけ入っていた。


とっさに玄関を開けて、外に飛び出した。


内階段を、もどかしい思いで駆け下りる。


建物から出ると、角を曲がっていく傘が見えた。


雨に濡れるのも構わず駈け出した。


「オイっ…!」


乱暴に傘を掴んだ。


「ひゃっ…」


見上げた瞳は、怯えていた。


「どういうつもりだ…」


「え…?」


写真を見せると、その瞳が揺らめいた。


「あなたに持っていて欲しくて…」


「…お前、誰だ」


犬のような目をして、俺を見上げるコイツに見覚えはなかった。


「僕は…潤の弟です…」


「えっ…?」





和也の前に、コーヒーを置く。


「すいませんでした…」


「いや…いいから…飲めよ」


「潤から、さんざん大野さんの話を聞いて、会ってみたかったんです…」


コーヒーを一口だけすすると、またテーブルに置く。


「でも、いざとなると話しかけることができなくて…こんなに遅くなってしまいました」

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