第3章 夢に舞い、恋に舞う 2
朝は、台所で一緒にお師匠とごはんを食べる。
台所のダイニングテーブルで、お師匠の給仕をしながら食べるのが習慣だ。
終わったら、お茶碗を洗って。
乾燥機に入れたら、洗濯物を干しに行く。
「あっ…お師匠さんっ…」
「あ、今日は俺がやるから。雅紀は休んでろよ」
「そっ…そんなっ!大先生に怒られます!」
「ばか…俺が言わなきゃわかんないだろ?いいから寝とけ」
「そんな…」
洗濯物をかごに放り込んで、お師匠は二階へと上がっていく。
「い…一緒に干しますっ…!」
干場は、外から見えないように木の柵を上手く渡してある。
収納してある物干し竿を出すと、洗濯物を干し始める。
「雅紀…無理するなよ?」
「してないです…」
干場の隅に置いてある、木のベンチに僕を座らせた。
延々と洗濯物を伸ばす作業をさせられた。
「お師匠…すいません…」
「ん?いいんだって…前だって、家政婦さんが休みの時は、一人でしてたんだから…」
ここは、お師匠一人の城で。
お父様のやっている流派から独立して、一人でやっている家で。
そんなわけにもいかないのに、なぜだか宗家は継がないと言い張ってる。