第15章 悪徳の花 4
「どうでしょう。この人事案、飲んで頂けませんか」
「医院長は…理事のみなさまは…」
汗を掻きながら、なんとか阻止ししようとしてくる。
だろうな…
これから自由に動けなくなるもんな…
「多分、賛成してくださいますよ」
「は…」
ひらりと一枚書類を落とした。
人事部長の足元にそれは落ちた。
それを拾い上げ、なにげなく目に入れた人事部長の顔色が変わった。
「これは…」
「…人事案、通して下さいね」
俺の手足となる部下たちが、それぞれの部署に課長クラスで配属された。
人事部長の下にも、信用できる部下をつけた。
これで全部署を大体は掌握することができるだろう。
コンピューター室の独立は、来年になった。
あのビルで、元経理部長は小さくなっていることだろう。
会計ソフトでも作ってやがれ。
相葉から内線が入る。
『二宮副医院長、櫻井副医院長がお見えです』
「ああ、通してくれ」
暫くするとドアが開いた。
「おかえり翔」
「ただいま…学会が長引いて、なかなか帰れなくて…待たせたね」
「いいよ…さ、行こうか」
「うん…今日はイタリアンでいい?」
「いいよ…翔の料理なら何でもうまい」