第14章 悪徳の花 3
「…わかった…弁護士にその話、依頼しておく…」
「よろしくお願い致します」
タバコを消して立ちあがった。
「キミは…翔を…」
「ハイ?」
「翔を本気で愛しているのか?」
医院長の顔は、父親の顔だった。
「…はい…僕の人生に、必要な人です…」
「そうか…ならいい…」
脱力してしまった医院長に一礼すると、部屋を出た。
秘書に見送られながら、廊下に出る。
あと一歩だ。
全てを手に入れる。
エレベーター前のソファに翔が待っていた。
「どうだった?」
白衣を着たままだった。
診察が長引いたんだろう。
「認めて貰えたよ」
「ホント…?」
「うん…その代わり、俺、苗字が櫻井になるけどいい?」
「そんな…いいよそんなことっ…」
翔が俺のスーツの裾を握る。
「嬉しい…僕達、結婚できるんだね…」
「そうだよ…よかったね…翔…」
「どんな魔法を使ったの?和也…」
「バカだな…魔法なんて使ってないよ…」
翔の肩を抱き寄せた。
「泣くなよ…」
「うん…でも…嬉しくて…」
「40手前のおっさんが泣いてると、怪しまれるだろ…?」
「もう…いじわる…」