第13章 悪徳の花 2
俺と翔の新生活がスタートした。
新しく部屋を借りて、二人で暮らし始めた。
二人共忙しいから、部屋にはそんなに金を掛けなくていいって言ったのに、翔は妥協しなくて…
病院からも、ビルからも近い、高級賃貸に決まった。
夜景がとても綺麗だった。
「櫻井が見渡せるね」
「そうだね…ここなら、すぐ呼び出しにも応えられるし…」
「翔は患者優先だもんな」
「和也…」
「わかってるよ。そんな翔が好きだよ…」
肩を引き寄せると、翔が俺に凭れる。
「こんな日が来るなんて思わなかった…」
「…俺もだよ…」
なんで翔なんだろう。
なんでこいつ男なんだろう。
なのになんで手に入れたいんだろう。
わからない。
俺はゲイじゃないのに…
「翔…キスしよ?」
「ん…」
頬を染めながら目を閉じる翔は、とても綺麗で…
俺が汚してやっても汚れなかった。
とても…強い…
「翔…」
ぎゅっと抱きしめると、その温もりを確かめるように胸に頬を埋める。
「甘えてる…?」
「だめ?」
「ううん…嬉しい…な…」
そっと俺の髪を撫でる翔の手が、気持よかった。
絶対に…離さないよ…