第13章 悪徳の花 2
「…どういうことですか…?」
「だから、それはこちらのセリフですよ…」
サーバー室には、幾つもの無機質な音が鳴っていた。
「経理部長、これはあなたが改ざんしたものですね?」
プリントアウトした紙を、見せると一気に顔色が変わった。
「どこで…それを…」
「忘れましたか?私はこの病院のデータを全て握っているのですよ?」
経理部長がガタガタ震えだした。
若いと思って、舐めてっからこうなるんだよ…
白髪頭が、プルプル震えてる。
「告発…する気か…」
俺は立ちあがった。
窓辺に立つと、くるりと振り返った。
「それは、あなた次第ですよ。経理部長」
「なにが…望みだ」
「そうですねえ…」
「金か」
くくっと笑いがこみ上げた。
「金だろう!どうせ!」
「要らないね。そんなもの」
「え…?」
「そんなもの、要らないって言ってんの」
カツカツと歩くと、サーバーの前に立つ。
経理部長のよれたスーツを眺めて、ああはなりたくないと思った。
「もっと、でかいものですよ」
にやりと笑うと、経理部長の額に汗が噴き出した。
そうだよ…
俺の望みはそんなもんじゃねえんだ。
あんたなんか想像もつかないもんだよ。
「では、本題に入りましょうか…」
階段は、目の前にある。
【つづく】