第13章 悪徳の花 2
病院からすぐ近くの、小さいビルの一室。
ここが俺の職場。
櫻井病院のシステムを一手に引き受けている他、ソフト開発をしている。
一年経って、やっと軌道に乗り始めた。
仕事が面白くてしょうがない。
どう手を回したのか知らないが、ある日突然辞令が出て、この部署に配属された。
スーツを着た俺を見た翔は、目を潤ませて喜んだ。
「やっぱり、二宮くんはスーツが似合うよ…」
「どこかで見たの?俺を」
恥ずかしげに頬を染めて、こくんと頷いた。
「健康診断の時…」
そういえば、以前勤めていた会社の健康診断は櫻井病院だった。
あの時に会っていたのか…?
「あの時、一目惚れしたんだ…」
そっと自分のネクタイを外すと、俺のネクタイも外した。
「これ、プレゼント」
そのネクタイは、高級そうで。
巻いてくれたのを手にとったら、手触りが凄く良かった。
ヴェルサーチのネクタイ…
「ネクタイを解く二宮くんが…格好よかったんだ…」
そう言うと、俺のネクタイを首に巻いた。
「おい…そんな安物…」
「これ、ちょうだいね?」
「え?」
「ふふ…二宮くんからの初めてのプレゼントだ…」