• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅠ【気象系BL小説】

第12章 悪徳の花


汚れたスニーカーを、ダスターで軽く拭いて、ロッカーに上がる。


重い足取りで、地下からの階段を上がる。


階段室の扉を開けたら、病院の一階へ出る。


従業員ロッカーは一箇所にまとまっていて、清掃員もみんなそこを使っている。


ありがたいことに、宿直などがあるから、シャワーや仮眠室まである。


これはどの従業員も使っていいことになっている。


清掃で汚れた身体をシャワーで流す。


なるべく熱い湯を浴びる。


身体を消毒される気がするから。


持ってきたバスタオルで身体を拭いて、服を着る。


鏡を見ると、暗い顔をした男が立っていた。


俺…こんな顔してたかな…


頬はこけて、目の下には隈が浮いている。


色白だと言われる顔は、通り越して青い。


こんな陰鬱な顔をしているのが自分だと、少し驚く。


面倒でヒゲを剃るのも3日ごとになっていた。


「は…」


思わず笑いがこみ上げてくる。


こんな哀れな男に、いつからなった。


会社が倒産したくらいで、何をそんなに拗ねている。


また、戻ればいい。


あの世界に。


たったそれだけなのに…


拳を握りこむと、鏡を殴った。


ヒビすら、入らなかった。

/ 771ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp