第11章 玲瓏
「俺は、18の年には陸軍兵学校に入ったよ…」
「そうですか…」
「和は?」
「え…僕は…10の年から…」
「えっ!?」
「親が…やれと…」
和が口をつぐむ。
「…辛かったな…」
「そんな…」
憂いのある横顔。
「今、いくつなんだ?」
「19になりました」
「そうか。俺は35だよ」
「え?お若く見える…」
「そうかぁ?最近老けたなって言われるんだけどな」
「まだ20代でも通用しますよ…」
笑いながら、俺を見上げてくる。
ああ…やっぱり綺麗だ…
まるで磨かれた上等の玉(ぎょく)みたいで。
「大野さん…」
和の顔が近づいてきた。
唇が、誘うような紅で…
そのまま動けなくなって、唇が重なった。
和の唇が、ふんわりと俺の唇を塞いだかと思うと、ゆっくりと強く押し当てられる。
舌が出てきて、俺の唇を舐める。
その舌が、中に入れてくれと唇の合わせ目をつ…っと撫でた。
薄く開くと、それが滑り込んでくる。
「ん…」
こんな接吻、したことない…
甘くて…蕩ける…
和を抱き寄せていた手に力が入る。