第10章 コーヒー
「なんでまだ敷かれてるんだよ…」
痛む身体を起こして、雅紀をどけた。
どけた。
ん?どかねーな…
「雅紀?起きてんの?」
「さ…智…」
「ん?」
雅紀は俺の上に乗ったまま、顔を逸らしてる。
「俺…昨日寝ぼけて変なことした…?」
「えっ…へ、ヘンなことって…」
「だっ…だから…ヘンなこと言わなかった…?」
言ったけど…嬉しかったし…
俺にとってはヘンなことじゃないし…
「言わなかったよ?」
そう答えたら、あからさまに安心したような溜息をついた。
「そう…良かった…」
そういいながらも、上からどいてくれない。
「雅紀…重いんだけど…」
「あ…ごめん」
そっと雅紀が俺を上から見下ろした。
目が合うと、また逸らした。
「な、なんだよ…?」
「なんでもない…」
そう言って、俺の胸にコテンと頭を載せた。
「何やってんだよ…」
「人のぬくもり、久しぶりだからさ…なんか気持ちよくて…」
「ばか…乗るなら、女に乗れよ…なんで俺に乗ってんだよ…」
「はは…だよね…」
雅紀のさらさらの髪の毛が、顎をくすぐってる。