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ヘブンズシュガーⅠ【気象系BL小説】

第10章 コーヒー


でも。


俺一人で何ができる?


そう思ったら、一歩を踏み出す勇気なんて湧いてこなかった。


でも…雅紀と二人なら。


もしかして踏み出せるかもしれない。


職人として前進するチャンスかもしれない。


気がついたら、フィルターの根本まで灰になっていた。


「あちあち…」


慌ててタバコをもみ消す。


「やってみっかなぁ…」


見上げると、綺麗な夜空。


凍てつくような寒さの中、星は綺麗に瞬いていた。


俺は立ちあがって、部屋の電気を消した。


再び窓辺に立つと、星空を眺めた。


「智」


振り向くと、雅紀が俺の貸したTシャツにスエット姿で、頭にバスタオルを被って立っていた。


「何してんの?」


「いや…星が、綺麗だなって思って…」


雅紀は窓辺に近づくと、空を見上げた。


「ホントだ…綺麗だね」


そう言って、笑いかけて来た。


石鹸の匂いが漂ってくる。


やめろ…そんな近くで笑うな…


「っ…」


振り切るように風呂に向かって歩き出した。


「智」


柔らかく、腕を掴まれる。


「な、なんだよ…」


闇の中、雅紀の表情は伺えない。
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