第2章 Prologue*尽Side
「いつまで持つかね……」
あの様子だと、俺がフラレるのも時間の問題だろう。
ゴロンとベッドの上で寝返りを打つ。
欲求不満を解消出来たはいいが、彼女が居なくなったせいで暇をもて余す時間が出来てしまった。
「適当に他の――」
最近“セフレにして”と言ってきた女がいた。
だから、試しにソイツでも呼び出そうかと携帯を手にした刹那。
~~♪♪~♪~~♪~
聞き覚えのある着メロが携帯から流れる。
ゆったりとしつつ明るくポップなその曲は、姉貴が勝手に俺の携帯をいじって設定した専用着メロだった。
つまりは。
この曲が流れている=姉貴からの電話という訳だ。
ごくりと息を呑む。
そして震える指で通話のボタンを押した。
「……もしもし」
「あ、尽? 今お母さんいる?」
久しぶりに聞いた姉貴の声。
たったそれだけだっつうのに、正直者の俺の心臓はドキドキと高鳴っていた。