• テキストサイズ

【おそ松さん】マフィア松でスパダリ長兄松に溺愛されるだけ

第1章 お兄ちゃんから卒業


「君さ~、もうちょっと砕けて話せねー?」

「まぁ、出会ったばかりだからな。無理に慣れてくれとは言わないさ」

「は、はぁ……」

その異様に高いテンションがついていけない原因だったりする。

まぁ、お兄ちゃんと知り合いみたいだし、悪い人じゃないんだろうけど。

「敬語止めようぜ~? ほら、折角結婚するんだし、仲良くやろう?」

「――あぁ、貴方とだったんです……だね」

もう、この人達と会話する時、敬語がデフォになってて、元の口調さえ忘れちゃったせいで、可笑しな日本語になってる。

まぁ、いいや。

「――あぁ、君はマツノファミリーのお嫁さんだから、誰とか特定してないのさ」

「へっ? 可笑しいんじゃ……」

「いやいや~、可愛くて裏切らない女の子は、兄弟皆で仲良く可愛がるもんだから」

ちょっと待てよー?

彼は、確か最初六つ子の長男って言ったよね。

って事は、後4人も居るって事?

冗談じゃない、一人でさえ大変なのに!

「えぇっ、可笑しいんじゃ……?」

「フッ、可笑しい、か。褒め言葉だ、バーン!」

「ひ、開き直ってる……!」

あぁ、もう突っ込みきれない。

「いやさぁ~、こういう世界だとさぁ、家庭内の情報ってとぉーっても大事じゃん?」

「――たしかに、それはあるけど……」

気づけば、普通にタメ口で話せるようになってた。

この人達は、よくも悪くも相手を自分のペースに引き込みやすいタイプなんだろう。

まぁ、この世界じゃ口達者な人こそ上に立つから。

「だから、誰とでも付き合えるわけじゃないんだよ~、俺ら」

「は、はぁ……」

凄いマフィアの人っていうのは薄々わかってたけど、そこまで気をはらなくちゃいけないものかなぁ?

ただ単に、デートとか気持ちを維持するのが大変なだけじゃない?

まぁ、この人達にとって私は都合がいい人間な事は理解できた。

それなら、都合のいい人間として生きよう。

だって、私は白虎組の娘。

組の歯車になることが、私の使命だから。
/ 35ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp