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【おそ松さん】マフィア松でスパダリ長兄松に溺愛されるだけ

第1章 お兄ちゃんから卒業


これと言って美人でもない、スタイルだってよくない。

なのに、何故私なんだろう?

「どうしても嫌だったら、お兄ちゃんが説得するから」

そう言って、お兄ちゃんが頭をなでてくれた。

だから、大丈夫。

私には、世界一頼りになるヒーローが居る。

お兄ちゃんは、いつだって私のヒーローだから……。

「頼りにしてるね、お兄ちゃん」

私が笑えば、お兄ちゃんも釣られて笑ってくれる。

ぱっと見ごつくて怖いって言われるけど、笑顔はとっても可愛い。

「安心しろよ、鈴」

お兄ちゃんが頭を撫でている時、扉が開いてお父さんを筆頭に、続々とスーツの人達が部屋に入ってくる。

部屋の隅っこへ移動しようとすれば、お父さんが「あぁ、そこで構わない」と言ってくれた。

「まぁ、見ての通り仲が良すぎるのさ」

と言われ、私の頭の中は真っ白になった。

あぁ、余計なことしちゃったんだ。


そして、一番最後の人達が部屋の中へ入ってくる。

その人は、さっき池を見ていた人達だ。

二人は私を見ると人の良さそうな笑顔で微笑んだ。

たぶん、カタギの振りが上手い、役回りしやすい人達。

こういう人は、よく重宝されて可愛がられやすい。

「それで、娘さんを手放す決心はできたのか?」

大柄な男の人が、お父さんに尋ねる。

たぶん、お父さんと仲がいいんだろう。

「――あぁ、寂しくなっちまうが、コイツのためになるって気づいちまったからな……」

お父さんは、どこか寂しそうに笑う。

そっか、私があんなことしてたせいだね。

親不孝でごめんなさい、お父さん。

「鈴、こっちに来い」

「はい、お父さん」

お父さんの横に座ると、肩を叩かれた。

「お前の許嫁になった、マツノファミリーのマツゾウさんだ。ほら、挨拶しな」

私は、三指をついて深々と頭を下げる。

「天月 鈴と申します。不束者ですが、どうかよろしくお願いしたします」

頭を上げてまっすぐ相手を見ると、赤いシャツの人と青いシャツの人はぺこりと頭を下げた。

「こっちが、うちの息子のおそ松とカラ松だ。まぁ嬢ちゃんそんな堅くならずに、仲良くやってくれ」

そう挨拶され、私はぺこりとお辞儀をした。
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