【おそ松さん】マフィア松でスパダリ長兄松に溺愛されるだけ
第4章 イタリア行き
「こら、一松! カラ松兄さんは怪我人背負ってるんだから、つっかからないでよ」
相手は、緑のシャツを来た男の人で、マツノさんに肩を貸している。
「鈴ちゃんは、怪我もなさそうで何よりだ」
「皆さん、面白いくらい満身創痍ですね……」
「いやぁ、お恥ずかしい。どうも我々には白虎組のようなやり方は似合わなくてね」
白虎組のやりかた、ねぇ。
ある程度忍ばないと、余計な傷つくるだけなのに。
「白虎組のお嬢さんか。始めまして、俺三男のチョロ松です。ほら、お前らも」
「あ、僕は末っ子のトド松! よろしくねー?」
「――よ、四男の一松……」
「天月 鈴です。お世話になります」
挨拶をしてる時に、後ろからどやどやと賑やかな声が聞こえてくる。
その中心には、楽しそうに笑うおそ松さんが居た。
組員さん達と仲いいんだなぁ。
「十四松ー、お前すっげーなぁ!」
「えへへー、よくわかんないけど、僕すっげー!」
「だってよー、あの状況から自力で脱出だもんなぁ?」
十四松、と呼ばれたのは……、あの黄色いシャツの人。
――あー、それ私がやったんだ。
「凄い、凄いよお前!! 偉いよ、十四松!」
「えへへ、僕偉い?」
「うんうん、偉いぞー、十四松!」
褒められた十四松さんは、嬉しそうに手をパタパタ振ってる。
まぁ、本人が嬉しそうだし、黙っとこうかな。
「おー、鈴ちゃん無事だったー? いやー、なんかされなかった?」
「ううん、特に何も」
殺りやしたけど、やられてはいないかな。
「逆転サヨナラ満塁ホームラン!!」
十四松さんは、嬉しそうに叫ぶ。
無邪気だなぁ、この人。
「いやー、君が無事でよかったよー。だって、カラ松が君置いて来た時、心臓止まるかと思ったから」
「何やってんだ、クソ松!」
「す、すまない。すぐ戻る予定だったんだ」
皆から責められて苦笑してる、カラ松さん。
見つかるのは、予測してなかったんだろうねぇ。
「大丈夫だよ、そのおかげで無傷ですんだし」
実は、白虎組は元々伊賀忍者だから、今でもこういう忍んだ行動を得意なんだよね。
まぁ、そのせいで接近戦はどうも苦手だから、見つからない前提で動く必要がある。