第2章 愛しい人を脳裏に映しつつ……
私のお金で命拾いして、私のお金で私を裏切った。
憎い、憎い、憎い。
馬鹿みたいに、あの子達を信じきってた自分が憎い。
憎い、憎い、憎い。
妹の気持ちを知らずに、のうのうと付き合うことをあの子に言った自分が憎い。
どうして、私は周りの気持ちに鈍感で、周りの人達を傷つけてばかりなんだろう?
あの子が悪いわけじゃない、気づけなかった私が悪い。
愛し合ってたんだ、あの二人は。
遠い地に居て、帰ってこれない恋人。
それを支えるのは、片思いしてる彼女。
さぞかし、私が帰る日が憎かっただろう。
さぞかし、生かされる現実が辛かっただろう。
大切だと思ってた妹に、そんな思いをさせたんだ。
それなのに、まだ心の何処かで妹や弟を憎んでる。
――嗚呼、わかってる。一番の悪魔は私。
トド松「ねっ、僕も一緒に謝りに行くから、さ……。お願い、泣き止んで?」
そうだ、トッティに本当のことを言わないと。
「違うの、トッティ」
そして、私は全てを話した。
誰と付き合ってたのか。
何のために、我武者羅にお金を稼いでたのか。
今、何が起こってたのか。
すると、トッティは何も言わずに頭を撫でてくれた。
そして、肩を抱き寄せて「憎んでいいよ」と言ってくれた。
トッティの優しさに、溺れてしまいそう。
今まで、散々迷惑かけたのに……。
「ごめん、トッティ」
トド松「いいのいいの。頼ってくれて、嬉しいんだから」
「ありがと、トッティ」
ぎゅっとトッティを抱きしめたら、トッティは小さな声で私を呼ぶ。
トド松「ね、知ってる? 女の子ってエッチした人を好きになるんだって」
トッティから頭を撫でられながら、私はトッティの腰に抱きついたまま、大人しく聞く。
トド松「僕とエッチしよう? そしたら、僕のこと好きになって、彼氏のこと忘れるかもよ?」
そう言うと、トッティは私の服の中に手を入れてきた。
トッティの手は暖かく、気持ちがいい。
身を委ねるように目を瞑れば、トッティの身体は離れていき、着ていたローブが脱がされる。