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【おそ松さん】六つ子とサバイバル

第2章 愛しい人を脳裏に映しつつ……


そして、部屋にたどり着くとトッティは慣れた手つきで魔法陣を描く。
こんな事が出来るのに、最低ランクのマジシャンだなんて、びっくりするよね。
でも、私に付き合ってるから、全部私のせい。
なのに、おっぱいを見せるだけで許してくれるんだもん、トッティ本当に天使みたい。

トド松「ほら、できたよ。前も言ったけど、五分でゲートは閉じるから」
「うん、ありがとう」

私は、勢い良く魔法陣の上に乗る。

すると、目の前に広がるのは見慣れた故郷。
早く、早く弟の所へ急がなくちゃ。
私は、走って家へ向かう。
そして、勢い良く扉を開いた。

「お母さん、弟は?」

「あら、いつ帰ったの? あの子なら、湖に……」

湖、か。
最悪な場所だ。

森の中に位置する私の故郷。
その中に、木々の切れ間から光が差してる場所に湖はある。
とても幻想的で、綺麗な場所だ。
そこで、弟から告白されて、生まれて初めてキスをした言わば思い出の場所。
そこで裏切りの告白なんて……、彼女失格だ……。

私は、ため息を付きながら走った。
制限時間は五分だけど、その間トッティは苦痛の思い出ゲートを維持してるんだ。

そして、湖の近くになった時だった。

「あっ、はぁんっ……、もっとっ……、もっとツいて!!」

女の人の艶めかしい声が聞こえる。
何処かで聞いた声だなぁ?

「ッ!! 今日は、よく締まるね……!!」

相手の男らしき声は、明らかに幼い。
それでもって、鈴の音のように綺麗な声。
この声に、聞き覚えがある。

――弟の声だ。

私は、祈るような思い出走る速度を上げた。
そして、目の前に広がるのは……。

思い出の詰まった湖で、愛おしそうに愛しあう男女。
女の人は、見覚えがある。
隣の家に住む女の子なんだけど、体弱い子だった。
妹のように大切にしてて、彼女の治療費を払うために私は学校へ通い、馬車馬のように働いた。

そしたら、どうだろう?
可愛い弟と妹と思ってた二人が、愛おしそうにお互いを見つめ合いながら、獣のように愛し合ってる。
私の入り込む隙なんて、最初からなくて……、ただの邪魔者だったんだと気がついた。
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