第2章 愛しい人を脳裏に映しつつ……
トド松「よし、覚悟は決めた!!」
それだけ言うと、トッティはぐっと拳を握る。
その顔は強張ってるや。
め、迷惑はかけれないよ……。
トド松「僕がホワイトドラゴンの鱗を買ってくるから、ひっ、一つだけ、お願いしていい?」
そう言いつつ、トッティの声はどんどん小さくなる。
そして、辺に誰もいないかキョロキョロと見渡した。
「えっ、なっ、何?」
トッティに合わせて、私も声を小さくする。
トド松「――え、えとさ、彼氏居る子にこんな事お願いするのは、最低だってわかってるよ?」
「う、うん……」
トッティには秘密にしてるけど、彼氏は双子の弟。
私と違って眼の色の色素が薄くて、そこが幻想的なんだ。
髪は同じ金髪だけどね。
肌なんて、私なんかより白くてほっぺたも凄く柔らかい。
それで、何より性格がいい。
誰にでも優しくて、親切にしてて、本当に天使のように愛しい弟。
ふわり、と笑った所なんて本当に男!? って勘違いする可愛さだ。
そんな天使が私の彼氏だなんて、もったえないくらい!
トド松「ぼぼぼっ、僕っ、トトコちゃんの事が好きなんだ!!」
「へっ!? まぁ友達だし?」
トド松「そっ、そっちの好きじゃないよ。そ、その……、彼氏と別れて僕と付き合ってほしいって思ってる。ま、まぁ無理だってわかってるけど」
知らなかった。
トッティが私のことを好きだなんて、知らなかった。
それなのに、私はやれ彼氏に会えなくて寂しい、だの彼氏からの手紙にウキウキしたり、だのトッティの前で惚気けている。
これって、知らなかったじゃすまされない、最低な行為だ。
それなのに、トッティは今まで散々私の為に頑張ってくれたの!?
優しいって言葉だけじゃ足りないよ……!!
トド松「そ、それでさ……、お、思い出が欲しいんだよね……」
「ど、どんな思い出?」
すると、トッティはゆでダコのように赤くなる。
こんな顔されたら、えっちなお願い以外は全部利いちゃうよ!
トド松「おっ、おっぱい見せて、ください!!」
ぺこりっ、と勢い良くトッティに頭を下げられて、私は頭のなかが真っ白になる。