第3章 冒険へ行こう
十四松「って事はヒールできんの!? すっげー!! 俺にやってみて!!」
カラ松「マイリトルジュウシマーツ、ステイ!!」
私は、思い切って白魔道書を捲り、一番最初に書いてある『ヒール』の呪文を唱える。
すると、聞き手である右手のひらから光が溢れだした。
こ、これは……! ファイアと唱えた時と同じ感じだ!
おそ松「ってことは、例の劣等生は噂通りってことかー」
そんな噂があったなんて、私は知らなかったよ。
知ってたら、もっと早く白魔道書を手に入れてたのに。
カラ松「それは、俺から君へのあ」
トド松「持ってきたよー!! って、あれ。白魔道書だ」
あー、トッティお帰りー!!
チョロ松「トド松。お前なんで何処のエルフか聞いてないのさ!!」
トド松「えー、だってエルフってほとんど森でしょ?」
チョロ松「残念、トトコちゃんは谷エルフ」
トド松「えっ、でも森に住んでるって……」
「私、ハーフだから。エルフの住む谷の麓の森に住んでるの」
おかげさまで、人里離れてるせいで人は寄り付かなくて、出て行く人ばかり。
そのせいで、村は廃れてエルフが偶に遊びに来る程度なんだ。
ほとんどの村の人は、エルフの住む谷に移動しちゃったし。
トド松「うわぁ、早く白魔道書注文すればよかった。そしたら課題もなかったのに」
「そ、そうだった。か、課題……」
私の難題は解決したけど、目の前にはホワイトドラゴン討伐っていう難題が残ってる……。
おそ松「ンー、親父に言って長期休暇貰って討伐行くかー?」
カラ松「それしか無いだろう。何、プリンセスはこのお」
チョロ松「あぁ、もうさっき連絡したから、すぐ受理されると思うよ」
そっか。
トッティと一緒で、チョロ松さんもマジシャン専攻だから、魔法で手紙出せるんだ。
いいなぁ、私もマジシャン専攻なんだし使ってみたい。
って、皆手伝ってくれるんだしお礼言わないと。
「あ、あの。皆さんお手伝いありがとうございます」
トド松「いいのいいの、どうせ皆下心が合って手伝うんだし」
「トッティ、そんな事言わないの!」
ぺしっとトッティのおでこにデコピンをしてると、一松さんの視線に気がついた。
「ど、どうかしました?」