第2章 ハルハウララ
「ノヤさんってどなたですか?」
「西谷っていってな、うちの2年なんだ」
「バレー部の方ですか?」
「そうなんだけど、今ちょっと部活禁止中でな…」
部活禁止?いわゆる"ヤンキー"なのかしら…
「りゅーーーーう!!!!!」
考え込んでいるところに、誰かが自転車に乗りとんでもない速さでやってきた。
「あ、あのあれは…」
「ノヤっさーん!夜なんだからちょっとボリュームおさえろ!」
「お前もな、田中…」
ききっ、と鋭い音を立てて自転車が止まった。
「よお龍!スガさんもこんばんはっす!」
「久しぶり、西谷」
「ノヤさん、こいつが前話した新しい部員な」
「おーこいつが!」
ずいっと目の前まで顔が近づく。意志の強そうな、爛々とした目がとても印象的だ。それから…
「ちっちゃい…」
「ん?何か言ったか?」
「い、いえ!」
「朝比奈小夜です、よろしくお願いします」
「おう!俺は西谷夕!よろしくな、小夜っ」
「練習付き合うのはいいけどよ、先にこいつ家まで送ってもいいか?」
「あの田中さん、そのことなんですけど…」
「ん、どした?」
「田中さんと西谷さんの…」
「小夜ちゃん」
言いかけたところでスガさんに小声で呼ばれ、言葉が途切れる。
「田中のときもそうだったけどな、西谷にも"先輩″付けて呼んでみ?たぶん喜ぶから」
「わかりました…田中先輩と西谷先輩の練習、ついて行っちゃだめですか?」
「「!!?」」
途端、田中さんと西谷さんの動きがぴしっと固まる。
「あのー…」
「…小夜っつったか」
「え?は、はい」
「お前いい奴だな!!」
「!?」
がっと肩を組まれる。どうもこの先輩、田中さんとノリが似ているなあ…
「こら西谷、女の子に急にそんなことするなっ」
「だってスガさん!俺のこと!先輩って!」
「部活禁止が解けたらほかの後輩たちも呼んでくれるぜきっと」
「週明けからっす!あー早く烏野でバレーやりてえ!」
「今夜どうすんだ?小夜、しんどくないか?」
「大丈夫です…バレー部のマネージャーになるんだから、少しでもルールを覚えたいです」
「なるほど、熱心だな」
「だめでしょうか…?」
「いいに決まってんだろー!」
「じゃあ俺も行くよ、2対2になるし」
「スガさんあざす!」