第2章 ハルハウララ
それから私は田中さん、スガさん、ノヤさんから
バレーの基本を教わった。
運動をほとんどしないため動きなれていない筋肉たちは悲鳴を上げ
ちょくちょく休憩を入れてもらいながらではあったけれど、
とてもとても楽しかった。
「っと もうこんな時間じゃねえか」
「スガさんそろそろ帰りますか?」
「どうするかなあ 部活は一応休みだけど…勉強したいしなあ」
「「ぐ」」
田中さんとノヤさんの口から同時にうめき声が漏れる。
「どうなさったんですか?」
「やめろ小夜!聞くんじゃねえ!」
「そうだそうだ!俺も龍もそこ突っ込まれると無事じゃ済まねえから!」
いまいち何のことかわからない。
「スガさん 何のことなんですか?」
「あ ちょ、小夜!」
スガさんは待ってましたとばかりに意地悪な顔を浮かべて答える。
「こいつら勉強できないから 勉強って言葉がもうだめなんだよ」
「「うぐう…」」
なるほど 高校生って大変なんだなあ…
「田中さん、ノヤさん…頑張ってください」
「やめろ!そんな目で俺らを見るな!」
「肩に手置くな!惨めだろ!」
そんなこんなで今夜はお開きとなり、
家へは代表してスガさんが送ってくれることになった。
「今夜はゆっくり休んでな」
その声に顔をあげると 外灯にぼうっと照らされたスガさんと目が合った。
けど目はすぐ逸らされ、スガさんは俯く。
「…部活さ 少しごたついちまうかもしれないんだけど…頑張ろうな」
「?何のことですか?」
「いや…なんでもないよ」
スガさんはそう言うと 少し困ったように微笑んだ。
「あーほら 桜!」
「え?」
見上げると見事な桜が咲いていた。ほのかな桜の香りが夜の匂いと混ざり合い、不思議な感じがする。
そうだ これがきっと…-
「春の香りだね」
「あっ…ふふ」
「どした?」
「いえ、同じことを言おうとしてたから」
「そっかそっか」
春の香りに包まれながら スガさんと歩くいつもの道は少しだけ特別で
なんだかとってもいとおしい。
「じゃあここで ちゃんと寝るんだぞ?」
「はい!スガさん、あの…」
「ん?」
少し大きく息を吸う。
「おやすみなさいっ」
スガさんは目をぱちりとさせ笑う。
「うん…おやすみ、小夜」
to be continued…