第2章 ハルハウララ
外灯の少ない帰り道を、私は田中さんと並んで歩いていた。
「皆さんいい方そうでよかったです」
「癖は強いと思うけどいい奴といい先輩ばっかだから、心配することねーよ」
「癖は…確かに強いですね」
「おーい!」
後ろから聞き覚えのある声がした。
「スガさん」
「俺ん家もこっちなんだよ!一緒に帰ろうぜ」
「もちろんっす!」
「変な奴ばっかりだったろ」
「そ、そんなこと…」
「けどまあみんないい奴だから!よろしくなっ」
「はい!」
にしし、と笑うスガさん。やっぱり笑顔が素敵だ。
「スガさんは優しい先輩筆頭だからな、ガンガン頼れよ」
「頼れよーとかいうのは普通自分に頼れって言うときに使うだろー田中…」
そのとき、男性ボーカルのアップテンポな曲が傍で聞こえた。
「あ、すんませんちょっと電話が」
「おーわかった、出ろ出ろ」
「うす!」
そう言うなり田中さんはスマホを取り出し「もしもし?」と会話しだした。
「小夜ちゃん、家どのあたり?」
「あと3つくらい先の角を曲がってすぐのところです」
「よし、ちゃんと家の前まで送るからね」
「ありがとうございます!」
「は、今から!?」
突然田中さんが大きい声を出したので、思わず振り向いてしまった。見てみると、田中さんが明らかに動揺している。
「うーんまあいいけどよ…わかった、じゃあ待ってる」
田中さんは電話を切り、大きめのため息をつく。
「田中さん、どうしたんですか?」
「小夜、もう少ししたらどっと疲れるかもしれねえから、今のうちにしっかり休んでおけよ」
「はい?」
「おいおい田中」
私が困っているのを見越してか、スガさんが田中さんに声をかけた。
「どうしたんだよ、電話でなんかあったのか?」
「…が…」
「え?」
「ノヤさんが、今から来るって…」