第2章 ハルハウララ
「ぶ、部長」
「おー小夜!わざわざ来てくれてありがとうな。ここ座れよ、日向も」
「おじゃまします!」
「お邪魔します…」
言われるがまま、畳の上にすとんと座る。すると部長と一緒にいた爽やかそうな人に肩をたたかれた。
「おざぶ使う?はい」
「すみません、ありがとうございます」
「いいっていいって、場所貸してもらってるの俺たちだし」
そう言いにこーっと笑う。たぶん3年生の方だと思うんだけど…
「えっと、3年生の方ですか?」
「俺?そうよー」
「朝比奈小夜です、よろしくお願いします」
「こちらこそ!菅原な、よろしくっ」
「こいつのことスガって呼んであげてよ、みんなそう呼んでるから」
「みんなじゃねえだろー…でもまあ、小夜ちゃんが呼びたいように呼んでや」
「わかりました…スガさん」
「へへ」
スガさんがいるとなんだかほんやりとした空気になる。本当にすてきな笑顔だなあ…
「大地のことな、部長なんで呼ばなくていいべ」
「そうなんですか?」
「1年はキャプテンって呼んでるけど、小夜ちゃん選手じゃないし…大地ーちょっと来ーい」
少し離れたところで日向と話していた部長がこちらへ来た。
「なんだよ、スガ」
「小夜ちゃんに何て呼ばれたい?」
「えー、別になんでも…」
「大地くん♡とかでも?」
「お前なあ…」
「田中とかは大地さんって呼んでるから、それと合わせたら?」
「そうなんですか…じゃあそう呼ばせていただきます」
「気が向いたらいつでも『大地くん♡』チャレンジしてみ」
「ふふ」
1,2,3年生、みんな雰囲気は違うけどいい方ばかりだった。
力になれるように、足を引っ張らないように頑張らなきゃ。
それから時間が経ち、だいぶ夜が更けてきたのでお開きとなった。
「芙弓さんに連絡したか?」
「田中さん…はい。たぶんもう寝ちゃったと思いますけど一応。はい、お借りしていた電話」
「よしよし!大地さん、俺小夜家まで送って行きます」
「そうか?わかった。小夜、これ4月の練習日程な」
「ありがとうございます!」
「じゃあまた。お疲れ!」
「お疲れ様です、失礼しますっ」
皆さんに挨拶をして少し歩いた後、振り返ると皆さんが手を振ってくれていた。
なんだか、胸がいっぱいだ。