第2章 ハルハウララ
「私もツッキーって呼んでもいい?」
「は?なんで…」
それはそうか。快諾する感じの人ではないだろうと思っていた。
「ニックネームで呼ぶ人今までいなかったから、ちょっと憧れて…ごめんね、嫌だったら呼ばないよ?」
「…あのさあ」
「は、はいっ」
月島くんが重たげに顔を上げ、目が合った。よく見るとかわいらしい顔をしている。
「別に怒ってないから、そうびびらないでよ」
「う、うん…」
「…別に好きなように呼んでくれて構わないから。よろしく、小夜さん」
「…!よ、よろしく!ツッキー!」
ツッキーは「はいはい」と気だるげに返事をし、パンをほおばり始めてしまった。
「次は2年生の先輩方!」
翔陽に連れられ、次の輪へ移った。あまりしゃべらなさそうな先輩方にぺこりと会釈をした。
「おー小夜!よく来た、えらいぞー!」
「ちょ、田中さん、くるし…」
突然田中さんから手荒い歓迎を受けた。少し咳込んだ後、顔をあげ、まだ一言も話していない先輩の方を向き自己紹介をする。
「小夜さんね、よろしく。俺は縁下」
「よろしくお願いします、縁下先輩」
「先輩なんて固いし、もっとくだけてていいよ」
「そうですか?…じゃあ、縁下さんで」
「せ、先輩…!」
その声に振り向くと、田中さんがわなわなしていた。
「小夜、おれにもよろしくしてくれ」
「え?」
「いいから!」
「よろしくお願いします、田中さん」
「ちっがう!先輩!」
「え?…田中、先輩?」
「そう!それ!」
田中さんは少しはにかみながら私の頭を撫でる。
「もう…翔陽、3年生の方のところ行こっ」
「え?あ、ああ」
「小夜ってさ」
翔陽が徐に口を開く。
「何?」
「田中さんと、つきあってんの?」
「は!?な、な、な、なんで」
「頭さわってたし…」
なんてこった、頭をさわるのは恋仲ですることなのか。
「後できちんと言わなきゃ…」
「ん?」
「何でもないよ。とにかくおつきあいはしてないから!行こう!」
私たちは足早に部長さんのもとへ向かった。