第2章 ハルハウララ
広間はあちこちで賑わっている。
私の歓迎会をしていただいているのはわわかっているけど、ここで座って皆さんを見ているのも楽しいので、私は隅っこでパンをもそもそと食べていた。
すると目の前に翔陽がぽすんと座った。
「小夜!それ食べ終わったら、みんなのところ挨拶行かねえ?」
「挨拶?」
「大勢の男が女の子のところに行くのちょっとためらうしさ、俺もついてくから!」
そっか、私から動かないと何も変わらない。
いくらきっかけを周りの人がくれても、そこから先は私にかかっているんだ。
「わかった、すぐ食べちゃう!」
「はい、こいつらが1年生!ほら、みんな挨拶しろよ」
「何、日向この人と知り合い?」
「ああ!さっき知り合った!」
「そう思ってるのは君だけなんじゃない?もう少しパーソナルスペースとか考えなよ、まあ日向には到底無理そうだけど」
「あぁん!?」
なんか…仲悪い?特に金髪の人と翔陽…
「!」
ふと、黒髪で目つきがきりっとした人と目が合う。とりあえず会釈。
「あ、えっと…」
「…影山飛雄っす、よろしくお願いしゃす」
「よろしくお願いします…!えっと、影山くん」
「え?」
「え?って、え?」
「や、自己紹介のとき下の名前でって言ってたから、てっきり俺らも下の名前で呼ばれるのかと」
「!!いやいやそんな、いきなり失礼じゃない」
「え?そんなことないよ?」
影山くんと話していると、突然翔陽が割り込んできた。
「俺だって翔陽って呼んでもらってるし、みんな下の名前で呼んだらいいんじゃねえ?」
「俺もそう思う…まあ、あんたの自由だけど」
そう言い、影山くんは自分の首の後ろへ手をまわす。
これは、もしかして…照れてる?
「…じゃあ下の名前で呼ばせてもらいます。よろしくね…飛雄くん」
「…うす」
「俺は山口忠、よろしくね、小夜さん」
「さんつけなくてもいいのに」
「俺はこっちの方が呼びやすいから、気にしないで」
「わかった、よろしく忠くん」
「…」
「?次ツッキーの番だよ?」
「!ちょ、山口」
金髪の彼ががたたっと机を派手に鳴らし、あからさまに動揺する。
私が言葉を発する前に、ばつが悪そうに金髪の彼は口を開いた。
「…月島蛍。月島だからツッキー」
「俺ツッキーとは小学生の頃からの仲なんだ!」
「へえ…」