第2章 ハルハウララ
ボヌールに着くといつものように栞那さんがいた。
「すみません栞那さん、急に大人数で…」
「いいよいいよ、ほかでもないあんたのことだし。ご一行さんは外?」
「え?う、うん」
「よし」
そう言うと、栞那さんは少し気だるげにカウンターのところからお店の外へ行った。
「ご来店ありがとうございます!自転車はそっち停めて左手の階段から2階に上がってね、詳しい指示は上で小夜がするから!」
栞那さんがきびきび動いているところをここではあまり見ないので、少しびっくりしながら眺めていた。
…ん?上で私が案内をするってことは早く上がらないといけないんじゃない?
「小夜、ゴー」
「は、はいっ!」
私の思考を読んだようなベストなタイミングで栞那さんに急かされ、私は慌ててお店に入り別の階段から2階へ向かった。
「えーでは、改めて自己紹介頼むな」
「朝比奈小夜です。母とかぶってしまうのでよければ下の名前で呼んでください…よろしくお願いします!」
「ということだ。では…」
そこまで聞こえたかと思うと、部長さんをはじめとするバレー部の皆さんがコップを持ったので私も慌てて合わせた。
「小夜の入部を祝して…乾杯!」
「「「かんぱーい!!」」」
こんな感じで、私が今まで生きてきた中で最も大人数で最も楽しい夜がはじまったのだった。