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貴女の血を【R18】

第5章 太陽と海と私たち



「おい」
その言葉ではっとした。

「こいつから離れろ」
私の肩をぐっと引っ張られて私は春陽から離れる。
顔なんか見なくても声でわかってしまった私を憎む。

やっぱりそこに立っていたのは綾人だった。

後ろ姿しか見えないけど、はっきりわかる。
今、綾人は怒っている。

「久しぶりだね。綾人」

春陽も綾人のことを知っていたらしい。
だけど、なんか仲悪そう。

「で、何の用」

「こいつに用があった」

「千夜に?今、俺は千夜といるから邪魔しないでくれる?」

「お前といようが関係ない。こいつと話があるから」

なんかよく分からないけど、何だか私は綾人に連れていかれそうな気がした。

「私は今、春陽といるの。約束だって春陽の方が先だったし…」

そう言って私は春陽の腕を掴んで行こうと催促する。
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