第2章 桜降る季節
「で、僕は何だと思っているの」
綾人は、その話を切り出す。
私が1番話したくない話。
「ど、どうって?人間としか思え…」
「何言ってるの?僕の腕拾っといてそれは酷いなぁ…ちゃんと見たでしょ?本物だったでしょ」
綾人は、私の言葉を遮る。
低い声で話されるのは少し怖い。
「……」
何も言えない。
「はぁ…僕は吸血鬼。そもそも吸血鬼って存在知ってるの?」
ため息をついて答える綾人。
いやいや、吸血鬼って、、ゲームじゃないんだから。
確かこの前買ったゲームが吸血鬼シリーズだったよね、最近攻略したばかりの……じゃなくて!!
吸血鬼ってどういうこと?
混乱する脳内。
隣に目をやれば、優雅にコーヒーを飲む綾人。
こっちは、それどころじゃないんですけど!
とりあえず、冷静に…