第2章 桜降る季節
久しぶりに訪れるこの街。
道路の脇には桜の木が咲いていて、とても綺麗。
「はぁ…着いちゃったよ…」
私は、カフェの目の前に立って呆然としていた。
入ったら、彼がいるのかな…
心臓の音が大きくなっていくのが分かる。
ふと時計を見るとまだ12時40分。
あと、20分あるしちょっと彷徨こう。
しかし、20分なんてすぐ経ってしまって、約束の時間。
「行かなきゃ…ね」
私は勇気を振り絞ってドアを開ける。
「いらっしゃいませ」
店員さんが明るく出迎えてくれた。
と、思ったけれど、見覚えのある顔。
「え…あ…あれ?」
いや、見間違えるはずない、だってあの時と同じ服を着て、、、私の好きだった彼。