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貴女の血を【R18】

第2章 桜降る季節



「何で泣くの。僕のこと怖いの?あのカフェでは僕のことあんなに見てたのに、もう僕のこと忘れちゃったの?」

彼はやっぱり冷たい表情で。

「忘れてないけど……」

私に言えるのはこれが精一杯。
忘れようとしてたなんて言えないし、

それを聞いた彼の表情が少し柔らかくなったように見えた。

「じゃ、あのカフェで明日の1時に待ってるから。絶対来てね」

彼はそういうと、どこかへ消え去った。

私は全身の力が抜けて、地面に座り込んだ。


何もされなかった。手首を掴まれただけでそれ以上触れない。
少し複雑な気持ちだった。

私の手首には、彼のぬくもりさえ感じない。

「明日の1時……」

期待してしまう。それに、彼のこと知りたいし…


桜咲く季節。私の中の何かが咲き始めているようだった。
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