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貴女の血を【R18】

第2章 桜降る季節



「待って…」

彼の声が耳に残る。

ごめんなさい。







どのくらい走っただろう。

久しぶりに思いっきり走ったため、息が苦しい。
まわりには人も多いしこれだったら見つからない。

大丈夫。


「みーつけた」

耳元に聞き覚えのある声。
全身に寒気が走る。

「もう逃げちゃだめだよ」

そう言って、私の腕を掴む。

「こっち来て」

優しい声だけど、掴まれた腕は痛い。
私は、引っ張られるがままついていく。

細い脇道に入って、歩くのを止めた。


彼はクルリと回って私の顔を見つめたと思うと、壁に押し当て、
「どうしてくれんの?」と、怒ってるような口調で言う。
鋭い目つきで私を見つめる。

その怖さから涙が溢れて頬をつたう。

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