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貴女の血を【R18】

第2章 桜降る季節



電車の音で目がさめる。

電車の中から降りる男性。
私も乗らなきゃと急いで立つ。

ポトッ

何かが落ちる音。

さっき男性が落としたみたいで、私はそれを拾い上げる。

「すいません、これ、落としました、、、よ?」

私は男性に目をやると、男性の腕はない。
私の手に持つそれを見ると、それは腕。
つまり、私は男性の腕を持っていた。

声にならない恐怖。

「ありがとう」

男性は、腕を受け取ると、本来の腕の位置に押さえ込み、
「付けるのゆるかったみたい」
なんて、笑顔で言っている。

はっと電車の方を向くと、電車はもう出発していて、今ここにいるのは、私と男性だけ。

逃げなければ殺されてしまうかもしれないけど、逃げることさえできなかった。

だって、その男性は、あのカフェで働いていた人だったから。


それは、悲劇的な再会。

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