第1章 少女の運命
私が目を開けると、そこは、可愛らしい部屋だった。
りこ
「…ここは?」
私は、誰かに問いかけるようにそう言った。
でも、その声は、虚しく空をつかむだけだ。
ふと、扉を挟んだ向こう側にあるであろう、廊下から足音が聞こえてきた。
ガチャ
そう音を立てて、入ってきたのは…
一人の男だった。
……
そうだ、思い出した。
この男は、私を家から連れ去った内の一人だ。
男
「目を覚ましたようだね、りこちゃん?」
私の名前を呼ぶ男の目は、獲物を捕えた獣のようで、私は、声も出せなかった。
男
「こんなところに、いきなり連れてこられて、わけが分からないという顔をしているね」
りこ
「私を、ここから出して!」
私は、男の言葉に怒りをおぼえ、そう叫んだ。
男
「…ここからでて?その後はどうするんだ…?帰る家もないのにな(ニヤリ」
りこ
「……っ!」
そうだ。
たとえ、ここから出られたとしても私には帰る家もないのだ。
気づいた事実に、恐ろしさが私を襲った。
私が、うつむいたその時…
りこ
「なに…これ!?」
そう、私の手に手錠がはめられていたのだ。
よくよく見てみると、足にも鎖が繋がれていた。
男
「りこちゃん、君は、今日からこの子たちの相手をしてもらう。」
男は、私にそう言って、一枚の紙を渡した。