第1章 少女の運命
渡された紙には、6人の男の子の写真が載っていた。
なぜか見覚えある、この6人…。
私は、まだ冴えきっていない頭を必死に働かせて、自分の記憶を辿った。
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そして、思い出した。
私が彼らを見たのは、つい最近の事だ。
…そう、テレビの中で。
はっとした私の表情を見て、得体の知れない男はニヤリと気味悪い笑顔を浮かべた。
そして、こう言った。
男
「…気づいたようだな。こいつらは、今年からプロ入りが約束された…まぁ、要するにドラフトで指名された、野球選手3人とバレー選手3人だ。まぁ、今年プロ入りが約束された選手っつうのは、他にも沢山いるんだがな…。」
男はそこで、言葉を切った。
なんとも意味深な男の発言に、私は耳を傾けることしかできなかった…。
男
「…野球とバレーはな…他のスポーツにくらべて上下関係が難しいらしい。そこで、プロ入りが約束された新人選手、特に高校を卒業してすぐの奴らがプロの世界でも十分にやっていけるために、1年間、ひとつの施設に入って共同生活を送ってもらうんだ。…一般人には知られることのない、裏の事実さ。」