第1章 少女の運命
そんなことがあっていたなんて…。
自分が好きなことを職業にできるっていうのはすごいことだし、羨ましいと思う部分もあるけれど、プロになるまでにものすごい量の努力も必要になる、ということだ。
私がそんなふうに思っていると、男がふと思い出したように話し始めた。
男
「まぁ、そんなこんなでここの6人は、予め用意してある施設の中だけで一年間を過ごす。朝起きてご飯を食べ、練習をして昼ごはんを食べ、また練習…そんな日々をな。」
私は、それを聞いて苦しくなった。
私だったら、きっとそんな毎日に耐えられない。
男は、続けた。
男
「そんな、外部との接触を断たれた状況で、コイツらの…高校を卒業したばかりの思春期男子の欲が満たされるわけねぇ。
とくに………性欲だ。」
そこで、やっと私は『はっ』とした。
全く持って、そういう知識が無いわけではない。
…処女だけど。
男
「全くわからない…とは、言わせねぇよ?こういうことは学校でも習ってるはずだからなぁ。でだ、お前もだいぶ察しているだろうが、お前にはコイツらの性欲を満たしてもらう。性欲なんかのちっぽけな問題でプレーに支障をきたしたくはないんだろう。」
私は、改めてその言葉を自分以外の人の口から聞いて、私が今ここにいる事も、こうして鎖で繋がれていることも理解できた気がした。
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私が何も言わないことに対して、どう思ったのか、男が自分でも知らなかった私の事について話してくれた。
男
「…お前が眠っている間にお前の躰のことは調べさせてもらった。お前はその上でこの仕事に抜擢されたんだ。……まず、最初の決め手は性感染症にかかってない事と、処女だということ。これは、内密なんだが……知っておいてもいいだろう。」
私はなんと言われるのかさっぱり検討もつかず、少し困惑していた。
男
「お前の躰の感度、感じやすさは、最高を10とすると、10なんだ。言ってること、わかるよな?それにお前は名器を2つも持っている。数の子天井と俵締めだ。男からしたら、抱きたい条件をこんなに持ちあわせている女は、どこを探してもお前ぐらいだろうな。」
私は、男の話を自分のことではないように、ただ呆然と聞いていた。