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掃除婦の恋煩い

第2章 レッツゴーKY


(いつものフロアは多分大丈夫。一応確認してみるとして…)

問題はいつも吉田さんが専有してる上のフロア。
人が沢山いる気配はあるが、どんな業種なのか…。
事務がメインなのか…普段から清掃が必要な程なのか、どの場所で重点的に清掃が必要とされているのか。

部屋などの基本的な部分は変わらないにしても、人がいるいないでは動きが変わる。

「こんなことなら意地でも覗きに行ってれば良かった」

頑なに拒否された手伝い。
しつこくして面倒な事になるのを避けた結果がこうだ。

どうしたら良いか、アタフタして仕事にならない時間が一番無駄だ。
いつまでも此処で悩んでいても仕方ない。

はるは、掃除用具のキャリーの持ち手にぐっと力を込めると、エレベーターのボタンを押す。
いつもとは違う、一つ上の階のボタン。



これが私の生き方を変える起爆装置のスイッチになるなんて、この時は気付くはずもなく。

それでも扉は開く。

乗り込んだ時と同じように、ぐっと持ち手に力を込めて前に進んだ。
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