第1章 出会い
3話 体育祭に向けて
「っし…じゃあ出たい種目に手を挙げろー」
夏休み空けてすぐにやってくる千代高校体育祭。
6限の学活を使いそれぞれ出場する種目を決めていく。
障害物競争、リレー、借り物競争と、着々と出場する人が決まっていく中、残す競技は二人三脚と男女合同選抜リレーのみ。
秋は中学生の頃の陸上部で鍛えられたおかげで足が速いので、選抜リレーにとっておかれている。
「じゃ、選抜リレーに出てくれる人。あ、西野は強制な?」
担任がビシッと秋を指差し、言い放つ。
「ま、そのつもりだったけどさ…」
それにしたってこの決め付けようはどうなのだろうと、首の後ろをガシガシと掻いた。
「んで、あと男子一人と女子二人な。ほら、挙手!」
と、担任がバッと手を挙げるがプレッシャーのかかる上にレベルの高い選抜リレーに自分から進んで出たがる者は中々いない。
「ったく、お前らその積極性のなさじゃこれからやってけないぞ…」
担任がそうぼやいたが手をあげるものはいない。
「じゃ、まだ決まってないやつらでくじ引きな、女子はこっち、男子はこっち。ほらちゃっちゃと引け。」
そして10分後…
「じゃあ男女混合選抜リレーのメンバーは西野、唐沢、白川、鏡で決定だな」
担任がにやにやしながらいった。
(唐沢と…白川もいるのか…なーんか出来すぎてる気がするんだが…)
秋が納得いかなそうな顔をしていると白川が秋にむかって
「自信ないけど、よろしくね?」
とこっそり言うと秋もつられてこっそりした声で
「こちらこそ」と言った。