第2章 体育祭
10話 目が覚めると...
「…て、こん…ね…るんだ。」
「…ちょっと…かも。」
どこか遠くで声が聞こえる。
(なんだ…?)
秋がゆっくりと重い瞼を開けると目の前には同級生が3人ほど座っている。
「あ、起きた。」
「ふふ、おはよう?西野君。」
「…おはよ。」
にこやかに挨拶する白川とつられたように挨拶した鏡。
まだぼーっとしている頭をたたき起こして秋は体を起こしながら唐沢に言う。
「唐沢、なんで白川と鏡がいるんだ…?」
「言ったろ、楽しみにしておけって。」
「そんでなんで俺が寝てたのにお前ら入ってこれたんだ?」
「窓のカギ空いてたぞ。」
「ここ二階だぞ…」
「だから俺だけのぼってそのあと中から玄関のカギ開けたんだって。」
「なるほど、不法侵入だな。」
「お前が寝てるのが悪いだろ。」
だんだん目覚めてくる脳みそを淡々とつかって秋と唐沢は会話をしていく。
白川と鏡は珍しいものでも見るかのように二人を見ている。
秋は大体状況を把握し一つため息をついた。
そして一番聞きたかった質問をする。
「なんで白川と鏡呼んだんだ?」
そういうと唐沢は元気に立ち上がった。
「その1!体育祭の延期によりどうせ今日はみんな予定が空いてる!!その2!せっかくだからリレーのメンバーで親睦を深めるためだ!!」
気持ちよさそうに言い放った唐沢に秋は一言
「つまり思い付きか。」
寝起きで少し機嫌の悪い秋は後ろ頭をかきながら冷たく言った。