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ぼっそり

第8章 ちくちく


「お前」

「目赤くないか」

エルの顔をのぞきこんで、よく見てみると微かに目が赤かった。
エルは反射的に「えっ」と言った。

「そんなに赤い?」

「少し」

軽く目を擦ってエルは首をかしげた。

「なに、泣いたの」

「は」

エルは戸惑いを隠せないのか口を手で隠してしどろもどろに喋った。
軽く俺の右肩を叩いてきた。女子みたいだった。

「図星か」

「…泣いてない」

「この時間まで赤いって、相当じゃないのか?」

「泣いてないってば、泣いてない」

エルが両手で俺の目を隠した。

「嘘吐くなよ」

軽くエルの手をどけてエルの目を見た。目は合わせてくれなかった。
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