第5章 ぐさり
朝、今日はエルが早朝にメールで「今日は休む」とよこしてきた。珍しくあいつが休みだ。
まあ、伝言してきたくらいだし多分症状は軽いのだろう。
それを確認して着替えて朝食を食べていつもより遅く、家を出ていった。空は晴天、雲はある。
少し遅い時間に出てからか他の生徒が駄弁りながら、中には俺のように一人で颯爽と歩きながら…十人十色だ。
周りに生徒が多いせいか、特別寂しさは感じなかった。普通、付き合いが長い人ほど居ないだけで寂しくなるものだが、俺にはそれが感じられなかった。多分一言寄越してきたからだとは思うが。
エルは多分、微熱か何かを出したのだろう。
昨日は元気だったが、急にはそうなる事だって人だしあり得る。
ああ、そういえばメールの返事をしていない。
ま、適当でいいか。「お大事に」…これでいいか。
送って数分が経つと、エルから「ごめん」と送られてきた。
何でか、さっきの言葉をおくった自分が恥ずかしく思えた。